女性蔵元、酒づくり修行中
この5月28日、オールソフィアンの集い「SJ ガーデン合同ガーデンパーティ」にて経鷲会の先輩方との新たな出会いがありました。それまで経鷲会主催で開催していたワインパーティーと日本酒のきき酒会(酒類ジャーナリスト松崎晴雄氏(’83 外西卒)実行委員)とが合同でSJハウスのお庭にて開催 され、新緑美しい庭で先輩後輩と楽しいひと時を過ごすことが出来ました。
ちょうど5年前のオールソフィアンの集い開催日は、生まれ育った酒蔵の今後を考え蔵元として会社を経営するに当た り、酒造りを基礎から勉強してみようと決断、北区滝の川にある酒類総合研究所での製造者技術研修(約40日間)に参加するため上京した翌日のことでした。上智大学と日本酒をつなげて考えたことのなかった私はASFでのきき酒会開催は大きな発見であり喜びでした。
昨年は大吟醸古伊万里が全国 新酒鑑評会金賞、今年は入賞
それから5 年間、冬は朝5時半から酒造りに携っております。男性社会であった酒造りの場、製造は杜氏に任せていた父(社長)の意に反してのチャレンジ、蔵人さんたちはお前がやるのだったらと私を迎え入れてくれました。試行錯誤の酒造りではありましたが、自分なりの造りのデータと蔵人さんらの意見を取り入れながら、昨年は大吟醸古伊万里が全国 新酒鑑評会金賞、今年は入賞と徐々にその実績を上げていくことが出来ました。普通酒メインのわが蔵でも、全国レベルへ酒質を向上させることが出来たと社員一同で喜んでおりま す。1昨年3度目の造りを終えた春、酒を造っているが売り上げはなかなか上がらない、私がやっていることはこれでいいのだろうかと悩んでいたときの受賞だったので、私の肩にかかっている大きな荷物がちょっと軽くなった感じでした。
酒造りの面白さは、いかに自分の追及するもの、求める味を醸しだせるかにあります。ここ数年の異常気象により米の成分にも変化があり、原料処理の段階(洗米)において特に米を50%以上精米する大吟醸造りでは水温、米温度に気を配り秒単位で洗米を行ないます。この段階で失敗するとよい蒸米があがらず、それは仕込み後のもろみの発酵にも大きく影 響を及ぼすのです。発酵状態を確認するため毎日の分析とそれに伴う温度調整、真っ白なもろみがプクップクッと音を立 てて成長していく様子は、日々表情が違い、本当にわが子を育てているようです。(私には子供はいませんがそんな気がします。)40日後酒袋に入れたもろみがろ過されて澄んだ酒となって搾り出されてくるときは、果たして自分の味になっているのかと心配しながらのきき酒、この一口でそれまでの苦労が吹き飛んでいきます。
日本酒は世界に誇る醸造酒
日本酒は世界に誇る醸造酒です。現在アメリカをはじめ世界各地で日本食・日本酒ブームが起きています。国内ではワイン、焼酎に押され課税出荷量は10年前の約半分にまで落ち込んでいますが、輸出量は2年前の倍以上です。そこで私が思うことは、是非国内外で活躍されているソフィアンの皆さんに、侘びさびに始まる日本文化、日本食、日本酒、粋な日本を紹介していただきたいと思います。それが私が造ったお酒であればなおうれしく思いますが。
有田焼入りカップ酒 「NOMANNE ノマンネ」
江戸大正明治にかけて有田で作られた焼き物は伊万里の港素晴らしき企業・素晴らしき仲間 三木 真弘(S46 経・経) SJ ガーデンにて。中央が高祖理事長、その右が筆者より全世界へ広がり「古伊万里」として世界中の方に愛されています。私の蔵は、伊万里の小さな小さな酒蔵ですが先代たちが築き上げてきたこの伝統技術を守りつつ、また新たな酒造り、会社経営を行なっていきながら「清酒古伊万里」を世界中の方に飲んでもらえる日本酒に成長させたいとの夢を描いています。今取り組んでいる商品、有田焼入りカップ酒 「NOMANNE ノマンネ」はその取り掛かりの第一段階です。ノマンネとは佐賀の方言で飲みませんか?の意味。日本酒を飲んでもらうきっかけ商品となればと願っています。
造りを始めて5年、とにかくいろんな場所に出かけ多くの方との出会いがありました。そのつながりが今いろんな形で成果を挙げてきています。今回、上智大学という学びやを通じての出会いを大切に、また「明日の出会い」につなげてい きたいと思います。
これから日本酒の美味しい季節になります。是非一度私の醸した酒を飲んでいただき、ご意見ご感想をお聞かせいただければありがたく存じます。
古伊万里酒造有限会社にて検索してみて下さい。
(古伊万里酒造有限会社取締役)

