英国における生活と経験譚

英国における生活と経験譚:野原 英男1987年秋に、ロンドンへ行けといわれた時まず考えたのが、英語はあまり得意ではないということでした。案の定、英語で仕事をするというのは半端でなく辛く、3ヶ月は殆どノイローゼ状態ですごすことになりました。

滞英中の仕事で一番面白かったのが、「リース権の譲渡」に関る業務でした。リース権を譲渡するという経済行為は日本ではあまり一般的ではありませんが、英国ではかなり経常的に行われています。

「リース権の譲渡」に関る業務

私が在籍した三菱信託銀行という金融機関は、実は今日に至るまでロンドンのシティに自社ビルを保有している唯一の邦銀なのですが、このビルを買ったということから、前述の「リース権の譲渡」なる業務が発生したわけです。通常リース契約とは、英米法上での不動産等の賃貸借契約を意味しますが、英国のビル賃貸借の場合、この契約期間が25年と言うのが普通です。三菱信託銀行は1986年春に24 Lombard Streetという由緒ある場所にビルを購入し、1988年に入居したわけですが、それまで5年ほど入っていた賃借ビルのリース権の残余20年分について「契約上」責任を持たざるを得ないことになったのです。

しかも何とも運の悪いことに、私がこのリース権の売却セールス責任者ということになり、折しも日英両国の景気に翳りの見え始めたこの時期、どうしたものかと頭を抱えたことでした。話せば長くなりますが、日系企業の出先を中心に、ダイレクトメールと個別訪問を繰り返し、6ヵ月後に漸く某銀行に権利譲渡することが出来てなんとか面目を施しました。

仕事以外の生活「ガーデニング」

仕事以外の生活では、今、日本でも一種のブームが続いている「ガーデニング」に興味を持ち、ロンドン近郊のみならず全英の著名な庭園を相当数見て歩いた挙句、 病嵩じて、帰国後庭園技師の資格を取り、現在地域の生涯学習などに協力しています。

英国の庭園にもしご興味があれば、KewとかWisleyあるいはHampton courtといった有名な庭だけでなく、毎年春から秋まで主として個人の庭が公開されるシステムがありますから、訪れてみては如何でしょう。毎年2月に刊行される、通称イエローブック(Gardens of England and Wales open for charity)が入手できれば、とても役に立ちます。

ただ英国のガーデニングをそのまま日本に持ち込んでも、基本的な気候の違い、とりわけ日本の酷い夏(湿度と温度)に耐えられる花は稀で、なかなか思ったようには出来ないのが現実です。ご質問等ご遠慮なくどうぞ。

(E-Mail:nohara.ht@dream.com

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